こんにちは。デジタル整理&AI活用を支援しているらくらスタイルです。
「あの請求書の発行手順、どうやってたっけ」。年に数回しかやらない作業だと、毎回思い出すところからスタート。前に作ったはずの手順書を探し、開いてみたら20ページ。しかも情報が古い。結局、自分の記憶とネット検索でなんとかする。
そんな経験、ありませんか?
手順書というのは、作った瞬間がピークで、あとはひたすら読まれなくなる運命にあります。理由はシンプル。長いから。忙しい人が20ページを読むわけがないんです。
そこで今日は、既にある長い手順書を、AIで「1分で読み切れる薄いマニュアル」に凝縮する方法をご紹介します。新潟でデジタル整理のお手伝いをしていて、これがいちばん喜ばれた作業かもしれません。
なぜ長い手順書は読まれないのか
分厚い取扱説明書、読んだことありますか
電子レンジを買ったとき、あの分厚い説明書を最初から最後まで読む人は、たぶんいません。多くの人がやるのは、本体のボタンを見て、なんとなく押してみること。困ったときだけ、説明書の該当ページを開く。
手順書もまったく同じ構造。普段は「早く終わらせたい」から、詳しい説明を読む気力がない。だから必要なのは、分厚い説明書ではなく、冷蔵庫に貼るメモ程度の薄さ。
詳しい版と短い版、両方が必要
ここで大事なのは、長い手順書を捨てないこと。詳しい説明は、トラブルが起きたときの命綱になります。
料理でいうと、レシピ本と、冷蔵庫に貼った買い物メモ。両方あるからうまく回るわけです。目指すのは、詳しい版を残したまま、その上に「要点だけの1枚」を重ねる形。
AIが得意なのは、まさにこの「削る作業」
人間が自分の書いた文章を短くするのは、けっこう辛い作業。どれも大事に見えてしまい、削る決断ができません。自分の部屋を片付けるとき、「これも使うかも」と何も捨てられなくなるのと一緒。
その点AIは、思い入れがゼロ。だから容赦なく削れます。しかも、削ったあとの整え方もうまい。ここは遠慮なく任せてしまいましょう。
実践編:4ステップで1分マニュアルを作る
ステップ1:材料を集める
まず、元になる情報を用意します。きれいに整っていなくても大丈夫。
- 既存の手順書ファイル(WordやPDF、Excelなど)を開き、中身をコピーします。
- 手順書がない作業なら、思い出せる順に箇条書きで殴り書きします。順番が前後していても問題ありません。
- メールでのやりとりや、過去のメモの断片でも材料になります。
料理と同じで、下ごしらえが雑でもAIが刻んでくれます。まずは机の上に材料を出すところから。
ステップ2:AIに凝縮をお願いする
GeminiやChatGPTに、材料と一緒にこう頼みます。私が実際に使っている文面がこちら。
以下は業務手順書の原文です。これを、実務経験のある担当者が1分以内に読み切れる「クイックマニュアル」に凝縮してください。
条件
・全体を400文字以内に収める
・手順は最大7ステップまで。番号付きの箇条書きにする
・各ステップは1行、40文字以内で書く
・作業の目的を冒頭に1行だけ入れる
・間違えやすい注意点を、最後に3つ以内でまとめる
・原文に書かれていない情報は絶対に追加しない原文:(ここに貼り付け)
ポイントは、字数とステップ数を数字で指定すること。「短くして」だけだと、AIはたいてい長めに仕上げてきます。「7ステップまで」と枠を決めると、AIが自分で優先順位をつけて削ってくれる仕組み。
最後の「原文にない情報は追加しない」も忘れずに。これがないと、AIが親切心で一般的な手順を混ぜてしまい、実際の業務と食い違うマニュアルができてしまいます。
ステップ3:ここが本番。人の目で確認する
出てきた文章を、そのまま使うのは危険。必ず自分でチェックします。
- 削られた部分を見て、「これは絶対に必要だった」という情報がないか確認します。
- 数字(金額、締切日、桁数など)が原文と一致しているか、一つずつ照らし合わせます。
- 実際にそのマニュアルだけを見ながら、一度作業をやってみます。詰まった箇所が、書き足すべきポイント。
3番目が地味に効きます。頭で考えるより、手を動かすとすぐ穴が見つかるもの。
ステップ4:置き場所と名前を決める
作ったマニュアルが行方不明になると、全部が無駄になります。
- クラウド上に「クイックマニュアル」フォルダを1つ作り、そこにまとめます。
- ファイル名は「請求書発行_1分版」のように、作業名+1分版で統一します。
- 詳しい元の手順書は「請求書発行_詳細版」として、同じフォルダに並べて置きます。
- Googleドキュメントで作っておくと、スマホからも開けます。災害時や外出先でも読めるのが利点。
薄い版と詳しい版を隣に置く。この配置が意外と重要で、「もっと知りたい」と思ったときの迷子を防いでくれます。
完成イメージ:実際にこれくらいの分量
たとえば「月末の請求書発行」ならこんな感じ。
目的:取引先へ当月分の請求書を送り、入金予定を確定させる。
- 会計ソフトの売上一覧を開き、当月分を確認
- 未確定の案件があれば担当者に確認する
- 請求書テンプレートに金額と件名を入力
- PDFで書き出し、ファイル名を規則どおりに変更
- 送付先メールアドレスを一覧表で照合
- メール送信し、送付済リストにチェックを入れる
- PDFを保管フォルダへ移動
注意点
・締切は毎月25日。土日なら前営業日に前倒し
・A社のみ郵送。メール送付は不可
・金額修正時は、必ずファイル名の版数も更新
これで読むのに40秒ほど。壁に貼れる分量です。
めんどくさがりの本音:全部やらなくていい
正直に書くと、社内の全手順を1分版にするのは骨が折れます。私も途中で飽きる自信があります。
だから最初に作るべきは、次の2種類だけ。
- 頻度が低くて毎回思い出せない作業(年数回の申請、決算関連など)
- 自分が休んだら誰も代われない作業
逆に、毎日やっていて体に染み込んでいる作業は、後回しでかまいません。全部の引き出しを整理しようとすると挫折しますが、「よく探す物の引き出しだけ」なら30分で終わる。デジタル整理のコツは、いつもそこにあります。
気をつけたい2つのこと
機密情報はAIに渡さない
手順書には、お客様の名前や口座情報、社内システムのIDやパスワードが混ざりがち。これらが含まれた文章を、そのまま無料のAIサービスに貼り付けるのは避けたいところ。
対処は簡単。貼り付ける前に、該当箇所を「〇〇社」「別途管理の資料を参照」などに置き換えるだけ。AIに教える必要があるのは手順の流れであって、中身の数字ではありません。
このあたりの線引きは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公開している情報も参考になります。
半年に1回、見直す日を作る
手順は静かに変わります。使うソフトが更新され、担当者が交代し、締切がずれる。古いマニュアルは、間違った地図を渡すのと同じで、かえって混乱を招きます。
カレンダーに半年後の予定として「マニュアル点検」と入れておく。それだけで十分。作業自体は10分もかかりません。
長い手順書をどう整理していくか、社内の資料をどこから手をつけるべきか。そのあたりで迷ったら、らくらスタイルのブログにも整理の考え方をまとめていますので、覗いてみてください。
まとめ
- 手順書が読まれない理由は「長いから」。詳しい版とは別に、薄い版を作る
- AIに頼むときは字数とステップ数を数字で指定する。「短くして」だけでは短くならない
- 「原文にない情報は追加しない」の一文で、AIの作り話を防ぐ
- 出てきた内容は必ず人の目で確認し、実際に作業しながら穴を埋める
- 保存場所は1か所。1分版と詳細版を隣同士に並べる
- 全部作らない。「年に数回の作業」と「自分しかできない作業」から着手する
- 機密情報は置き換えてから貼り付ける。半年ごとに点検日を設ける
まずは1つだけ。いちばん思い出すのが面倒な作業を選んで、AIに凝縮してもらってください。所要時間は10分ほど。作った1枚が、未来の自分と同僚を確実に助けてくれます。
今日のひとこと
Googleドキュメントで作ったマニュアルは、右上の共有ボタンから「リンクを取得」を選べば、閲覧専用のURLを配れます。ファイルを添付して回すより身軽で、内容を直したときも、全員が最新版を見る状態を保てます。誰に何を送ったか覚えておく手間が消えるのが、いちばんの得かもしれません。
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明日のタイトルは『多忙な人のための「月1回のデータバックアップ習慣化」ChatGPTプロンプト』です。お楽しみに! ※内容が変更になった場合はご容赦ください。
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