こんにちは。デジタル整理&AI活用を支援しているらくらスタイルです。
大雨で会社のネット回線がダウン。地震で電話がつながらない。あるいはチャットツールそのものが障害中。そんなとき、あなたはまず誰に、どうやって連絡しますか。
「たぶん誰かが電話してくるだろう」。正直、これが大半の職場のリアルなところ。私も昔はそうでした。でも、いざ連絡が途絶えると起こるのは混乱ではなく、もっと地味で厄介なこと。全員が同時に「様子見」を始めてしまうんですね。誰も動かない、誰も判断しない、そして何時間も無駄になる。
今日つくるのは、そんな「連絡が途絶えた30分」を乗り切るための手順書。しかも自分の頭だけで考えるのではなく、AIのClaudeに叩き台を書いてもらいます。ゼロから書くより、圧倒的に楽。
そもそも「連絡が途絶える」とは何が起きているのか
災害時に連絡が取れなくなる原因は、ざっくり3つに分けられます。
1. 電気が止まる(停電)
Wi-Fiルーターも、会社の複合機も、電気がなければただの箱。ノートパソコンのバッテリーは動いても、家の回線が死んでいれば外とはつながりません。
2. 回線が混み合う(輻輳)
災害直後、みんなが一斉に電話やSNSを使うため、通信が渋滞します。高速道路の渋滞と同じ理屈。道(回線)の幅は変わらないのに、車(通信)が急に10倍になれば、当然進まないですよね。
3. サービス側が落ちる(障害)
普段使っているチャットツールやメールサービス自体がダウンすることも、実際にあります。自分は無事なのに、連絡手段だけが消える状態。
つまり大事なのは、「連絡できない前提」で動ける段取りを、あらかじめ紙とスマホに入れておくこと。料理で言えば、レシピを覚えておくのではなく、冷蔵庫のドアに貼っておくイメージ。慌てているときの人間は、覚えたつもりのことを一切思い出せません。
緊急レスポンス手順書に入れるべき5つの要素
Claudeに丸投げする前に、材料だけは自分で用意します。カレーを作るのに、じゃがいもと肉は自分で買ってこないと始まらないのと同じ。
要素1:連絡手段の優先順位
第1手段から第4手段まで、順番を決めておきます。たとえばこんな並び。
- 普段のチャットツール(Google Chat、LINE WORKSなど)
- 携帯電話のSMS(音声通話より繋がりやすい傾向)
- 個人のLINEグループ
- 災害用伝言板(NTTの災害用ブロードバンド伝言板 web171は、電話番号をキーに安否情報を登録・確認できる公式サービス)
音声通話を1番に置かないのがコツ。災害時、声の通話は最も混み合います。文字のほうが軽い荷物なので、細い道でも通り抜けやすいというわけです。
要素2:報告の締め切り時間
「発生から30分以内に、全員が第1手段へ一言だけ投稿する」。この一言ルールがあるだけで、生存確認と業務判断が一気に進みます。
要素3:返信がない人への対応
10分待って反応がなければ次の手段へ。それでもダメなら誰が電話をかけるのか、担当を決めておきます。
要素4:判断できる人の代役
責任者と連絡が取れないとき、誰が代わりに「今日は全員在宅」と決めるのか。ここが空欄の会社、実はかなり多い印象。
要素5:オフラインでも読める形
手順書がクラウドの奥深くにあって、ネットがないと開けない。これは笑い話ではなく、よくある失敗。PDFにしてスマホ本体へ保存し、さらに1枚だけ紙で持つ。二重で用意します。
Claudeにたたき台を書かせる具体的な手順
ここからが本番。ClaudeはAnthropicが提供している対話型AIで、Claude公式サイトから無料でも使えます。長い文章の構成づくりが得意なので、こういう手順書づくりには相性が良いところ。
ステップ1:立場と目的を最初に伝える
AIへの指示は、新しく入ったアルバイトさんへの説明とまったく同じ。「いい感じにやっておいて」では、いい感じになりません。誰のための、何のための文書かを最初に伝えます。
ステップ2:材料を箇条書きで渡す
先ほど決めた5つの要素を、そのまま貼り付けます。文章として整える必要はなし。メモのままで十分。
ステップ3:出力の形を指定する
「A4用紙1枚」「番号付きの手順」「専門用語なし」。この3つを添えるだけで、実用性が跳ね上がります。
そのままコピーして使えるプロンプトを置いておきます。
あなたは中小企業の防災コンサルタントです。
災害や通信障害で社内の連絡が途絶えたときに使う
「緊急レスポンス手順書」を作ってください。
【前提】
・従業員5名の個人事業/小規模オフィス
・普段の連絡手段はGoogle ChatとLINE
・全員がスマートフォンを持っている
・パソコンが苦手な人もいる
【必ず入れてほしい内容】
1. 発生から30分以内にやること
2. 連絡手段の優先順位(第1〜第4手段)
3. 返信がない人への対応と担当者
4. 責任者と連絡が取れない場合の代役ルール
5. 復旧したときの報告と業務再開の判断
【条件】
・A4用紙1枚に印刷できる分量
・番号付きの手順で、1手順は2文以内
・IT用語は使わず、中学生でも読める言葉に
・記入欄が必要な箇所は[ ]で空欄にする
ステップ4:自社の言葉に置き換える
出てきた文章を、そのまま採用しないこと。ここが一番大事なところ。Claudeは一般論の平均値を出してくるので、「うちの店は日曜が定休」「主要取引先はA社とB社」といった固有の事情は知りません。空欄と違和感を、自分の手で埋めていきます。
ステップ5:追加で「短くして」と頼む
長い手順書は、緊急時にまず読まれません。「上記を、慌てている人が15秒で読める箇条書き5行に凝縮してください」と追撃。この短縮版をスマホのロック画面メモや、手帳の表紙裏に。
私が実際にやっている「楽をするための」仕込み
完璧主義なのに、根はめんどくさがり。だからこそ、一度作ったら勝手に機能する仕組みが好みです。
仕込み1:PDFをスマホ本体に落としておく
Googleドライブのファイルは、オフラインで使う設定をしないと圏外で開けません。スマホのファイルアプリに直接PDFを保存し、ファイル名を「00_緊急連絡手順.pdf」に。先頭に00を付けると一覧の一番上に来るので、探す時間がゼロになります。
仕込み2:紙1枚を財布とデスクに
デジタル整理を仕事にしていますが、最後の砦は紙。電池も回線も要らない最強の記録媒体、と言ったら大げさでしょうか。名刺サイズに縮小印刷して財布へ入れておくと、荷物にもなりません。
仕込み3:年に2回だけ見直す
3月と9月。防災の日の前と、年度替わり。カレンダーに繰り返し予定を入れておけば、思い出す努力すら不要になります。新潟は冬の大雪、夏の豪雨、そして地震と、季節ごとに違うリスクがある土地。半年に一度の点検はちょうどいいペースかも。
ここだけは注意!AIに入れてはいけない情報
便利なAIですが、投げ込んでいいものと悪いものがあります。
- 従業員の氏名、住所、携帯番号などの個人情報
- 取引先の実名や契約金額
- パスワードやログイン情報
これらは絶対に入力しないこと。AIに渡すのは「型」だけ。実際の名前や番号は、出てきた文書に自分の手で書き込みます。宅配便で言えば、送り状の書き方を教わるのはいいけれど、中身の貴重品まで預ける必要はない、という感覚に近いですね。
このあたりの線引きは、らくらスタイルのブログでも繰り返し取り上げています。安全のほうが、便利より先。ここは譲れないところ。
Claudeが作った手順書を、実際に試す
作って終わりでは、レシピを読んだだけで料理ができた気になっているのと同じ。5分でいいので、一度動かしてみてください。
- 何でもない平日に「訓練です」とチャットへ投稿する
- 30分以内に全員から一言返ってくるか確認する
- 返ってこなかった人がいたら、その理由を聞く
- 手順書の該当箇所を1行だけ直す
3の理由が、実は宝の山。「通知をオフにしていた」「アプリを入れ替えていた」など、本番だったら致命的な穴が、ここでポロポロ見つかります。
まとめ
- 連絡が途絶える原因は、停電・回線の渋滞・サービス障害の3種類
- 手順書に必要な材料は、連絡手段の優先順位、締め切り時間、無反応時の対応、責任者の代役、オフライン保存の5つ
- Claudeには立場・材料・出力形式の3点を伝えると、実用的な叩き台が出てくる
- 出てきた文章は必ず自分の言葉に直し、15秒で読める短縮版もセットで用意する
- 個人情報やパスワードはAIに入れず、型だけ借りるのが安全
- 保存先はスマホ本体と紙の二重で、年2回だけ見直す
まずは今日、Claudeを開いて上のプロンプトを貼り付けるだけ。所要時間はおそらく10分。その10分が、いつか丸一日の混乱を防いでくれます。
今日のひとこと
スマホでPDFを開いた状態でスクリーンショットを撮り、その画像を「お気に入り」に入れておくと、圏外でも写真アプリからすぐ見返せます。地味ですが効きます。備えは、面倒がらずに小さく積むのがいちばん続くコツ。
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明日のタイトルは『災害時のSNS情報収集!信頼できるアカウントの見極め方をAIに教わる』です。お楽しみに! ※内容が変更になった場合はご容赦ください。
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