情報はどこから漏れる?会社の「裏口」のしくみ

情報はどこから漏れる?会社の「裏口」のしくみ

こんにちは。デジタル整理&AI活用を支援しているらくらスタイルです。

「ちゃんとしたお店に登録しているのに、どうして情報が漏れるの?」。ご相談の中でも、よく聞く疑問です。

正面玄関にはしっかり鍵がかかっているのに、気づいたら裏口から入られていた。実は、情報の流出は、そんな「裏口」から起きることが多いんです。今日は、その裏口がどこにあるのかを、むずかしい言葉を使わずに見ていきましょう。

目次

会社の情報は「ひとつの建物」にあるわけじゃない

まず、イメージを直しておきたいことがあります。

昔は、ひとつの建物だった

少し前までは、会社の情報は、会社の中のパソコンやサーバーにまとめて置かれていました。いわば、ひとつの建物の中に全部しまってある状態です。守るのは、その建物の入り口だけで済みました。

今は、いくつもの建物に分かれている

いまは違います。顧客の管理はこのサービス、メールはこのサービス、書類の保管はこのサービス、と、あちこちのネットのサービスを組み合わせて使っています。つまり、情報が置かれている建物が、いくつもあるんです。

建物が増えれば、入り口も増えます。正面玄関だけ頑丈にしても、他の入り口が弱ければ、そこから入られてしまう。これが「裏口」の正体です。

よくある裏口は、この4つ

1. 取引先やお願い先の会社

システムの運営や、メールの配信などを、別の会社にお願いしている会社は多いです。お願い先の会社が不正アクセスを受けると、そこに預けていた情報が一緒に漏れてしまいます。

これは、マンションの管理会社が鍵を失くすのに似ています。住人は何も悪くないのに、管理会社のミスで、全戸の合鍵が危うくなるわけです。

デジタルアーツの集計では、2025年の国内のセキュリティ事故が過去最多を更新したと報告されていて、取引先などを経由する流れも増えているとのことです。詳しくは、ScanNetSecurityの[デジタルアーツの集計記事](https://scan.netsecurity.ne.jp/article/2026/02/13/54614.html)で確認できます。

2. 社員のログイン情報(IDとパスワード)

社員が使うIDとパスワードが盗まれると、そのまま正規の社員として入られてしまいます。昨日取り上げた日本経済新聞社の事例も、クラウドサービスにアクセスするための認証情報が盗まれたことが原因とされていました。

入り口のドアを壊さなくても、鍵さえあれば、堂々と入れてしまう。いちばん怖いのは、実はこのパターンです。

3. 設定のミス

「見られないはずのデータが、実は誰でも見られる状態だった」。こういう設定ミスも、流出の原因になります。

倉庫の鍵を閉めたつもりが、実は閉まっていなかった。ありがちですよね。ネットの世界でも、その「閉め忘れ」が起きるんです。

4. うっかりミス

メールの宛先を間違える。パソコンやUSBメモリを置き忘れる。誤って、違うフォルダに入れてしまう。これも、地味ですが、よくある原因です。

「裏口」は、わたしたちの側にもある

ここまでは、会社側の話でした。でも、実はわたしたちの暮らしにも、同じような裏口があります。

家の裏口チェック

  • パスワードを、いろんなサービスで使い回している
  • 古いスマホやパソコンを、ロックなしで使っている
  • 昔登録して、もう使っていないサービスが放置されている
  • 家族や知人にパスワードを教えてしまった

これらは、全部「裏口」です。ひとつでも当てはまったら、そこが今月の片付けポイント。

特に注意したい「使っていないサービス」

意外と見落とされがちなのが、もう使っていないサービス。使っていないから、パスワードも変えない。ログインもしない。でも、情報は預けっぱなしです。

家でいえば、空き部屋の窓。誰も使っていないから、鍵をかけ忘れやすい。ここから入られると、気づくのが遅れてしまいます。

ここで、わたしたちの暮らしにある裏口を、もう少し具体的に見てみましょう。「うちには関係ない」と思っている方ほど、意外な場所に、ひっそり裏口が開いていることがあります。

たとえば、家族で共有しているタブレット。子どもがゲームを遊ぶために、親のアカウントでログインしたまま、という家庭は多いです。ここは、家族みんなが使う、ゆるい裏口です。ログインしたまま放置されたタブレットが、誰かの手に渡れば、親のアカウントの中身が見えてしまいます。

たとえば、お店のレジ横にある、無料のポイントカードの登録。紙のカードに名前や電話番号を書いて渡したものの、そのお店が情報をどう扱っているのかは、実はよく分かりません。登録した本人としては、ささいな手続きでも、情報はそこに残り続けます。

たとえば、友人との写真共有。みんなで撮った写真を、誰かがネットの共有サービスに上げたとします。その共有の設定が「リンクを知っている人は誰でも見られる」だった場合、思わぬ人にまで、写真が届くかもしれません。

たとえば、古いスマホ。機種変更をして、使わなくなった古いスマホを引き出しにしまっている。そのスマホには、写真やアプリ、ログイン情報が残っています。画面ロックもかけていなかったら、拾った人は、そのまま中身を見られます。

こうして並べてみると、裏口は、特別な場所ではなく、日々の暮らしの中に、ごく自然にあることが分かります。

まず、「会社の裏口」と「自分の裏口」の違いを、整理しておきましょう。会社の裏口は、会社側が管理するものです。わたしたちが直接直すことはできません。一方で、自分の裏口は、わたしたちが自分の手で塞げます。使い回しをやめる、画面ロックをかける、使わないサービスを退会する、共有の設定を見直す。どれも、今日からでも手をつけられるものばかりです。

では、会社の裏口に対しては、何もできないのでしょうか。いいえ、できることがあります。それは、「預ける量を減らすこと」と、「預け先を選ぶこと」です。

預ける量を減らすとは、必要のない情報は入力しないこと。登録のときに、必須ではない項目、たとえば、細かい趣味や家族構成などは、空欄でも進められる場合が多いです。空欄にしておけば、その分だけ、漏れる情報が減ります。

預け先を選ぶとは、登録する前に、どんなサービスなのかを、ひと呼吸おいて確認すること。運営している会社の名前が分かるか、問い合わせ先が書かれているか、プライバシーに関する説明があるか。こうした基本的な情報が見当たらないサービスは、慎重に考えたほうが安心です。

また、新しいサービスを使い始めるときに、「本当に必要か」「無料の理由は何か」を考えるクセも、役に立ちます。無料のサービスは、広告などで運営していることが多く、その中で、利用者の情報が使われる場合もあります。有料か無料かで、一概には言えませんが、「無料だから」と気軽に登録する前に、少しだけ立ち止まる習慣は、とても大切です。

最後に、裏口の話で、いちばん伝えたいことをお話しします。それは、「気づくこと」そのものが、守りの第一歩だということ。裏口があること自体は、悪いことではありません。気づかないまま放置するのが、いちばんのリスクです。今日の記事で、「そういえば、うちにもあるかも」と感じたなら、それだけで、もう半分は成功です。

防ぐには? 2つの考え方

じゃあ、どうすればいいのか。大きく分けて、2つの考え方があります。

自分で守れる部分を固める

パスワードの使い回しをやめる。2段階認証を設定する。スマホを最新の状態にしておく。これらは、自分の設定で変えられます。11月の後半に、順番にやっていきます。

自分では防げない部分に備える

会社側の裏口は、わたしたちには塞げません。だから「もし漏れても、被害が小さくなる準備」をしておく。預けている情報を減らす、サービスの登録先を把握しておく、といったことです。

どちらか片方ではなく、両方やるのがポイント。家の戸締まりと、火災保険の両方を用意するのと似ています。

今日できること:登録先の「裏口チェック」

今日は、むずかしい設定はなしで、気づくだけの作業をやりましょう。

ステップ1:スマホの「メール」アプリを開く

検索欄に「ようこそ」「登録完了」「会員登録」のどれかを入れて、検索します。

ステップ2:出てきたメールの送り主を眺める

「こんなサービス、登録してたっけ?」というものがあれば、それが放置サービスの候補です。

ステップ3:気になったものだけメモ

全部やる必要はありません。3つ見つかれば十分です。明日の「登録先を書き出す」作業に、そのまま使えます。

めんどくさがりのひと工夫

メールの検索は、ラクして成果が出る方法です。ひとつずつ思い出そうとするより、検索のほうが圧倒的に速いんですよね。自分の頭に頼らず、道具に探してもらう。これがらくらスタイルの基本です。

まとめ

今日のポイントです。

  • 会社の情報は、いくつもの「建物」に分かれて置かれている
  • 建物が増えると、入り口も増える。その弱いところが「裏口」になる
  • よくある裏口は、取引先、ログイン情報、設定ミス、うっかりミスの4つ
  • わたしたちの暮らしにも、使い回しや放置サービスという裏口がある
  • 自分で守れる部分を固めて、自分では防げない部分には備える
  • 今日は、メールを検索して、登録したサービスを思い出す

今日のひとこと

スマホのメール検索は、意外と万能です。「請求」「領収」「ご注文」などで検索すると、お金に関わる大事なサービスだけを、さっと一覧にできますよ。

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ほかの記事は、[らくらスタイルのブログ](https://rakura.net/blog/)でも読めます。

明日のタイトルは『大規模な流出も。登録先を書き出そう』です。お楽しみに! ※内容が変更になった場合はご容赦ください。

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