「あれ、あのファイルどこに行ったっけ?」「担当者が辞めてしまって、大事な資料が見つからない…」チームで仕事をしていると、こんなファイル迷子の問題、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。実はそれ、個人のGoogleドライブを使っていることが原因かもしれません。
こんにちは!デジタル整理アドバイザーの「らくらスタイル」です。新潟の地から、皆さんのデジタル業務をもっと楽に、そして楽しくする情報をお届けしています。
今回は、チームでのファイル管理を劇的に改善する「共有ドライブ」について、個人のGoogleドライブとの違いに焦点を当てながら、その魅力と基本的な使い方を分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、チームの重要資産である「データ」を迷子にさせない、確実な仕組みが手に入りますよ。
個人のGoogleドライブと共有ドライブ、根本的な違いとは?
多くの方が普段使っているのは「マイドライブ」と呼ばれる個人のGoogleドライブでしょう。手軽にファイルを保存・共有できて非常に便利ですが、チームで利用するにはいくつか弱点があります。
一番大きな違いは、ファイルの所有権です。
- 個人のGoogleドライブ(マイドライブ):ファイルを作成した「個人」が所有者です。たとえ他のメンバーに共有しても、所有権は作成者にあります。
- 共有ドライブ:ファイルを保存した「チーム(組織)」が所有者になります。
これが、チームでのファイル管理において非常に重要なポイントになります。
なぜ個人ドライブだと困る?チーム利用での3つの落とし穴
「別に個人のドライブでも共有すれば問題ないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、そこにはいくつかの落とし穴が潜んでいます。
- 退職・異動でファイルが行方不明にこれが最大の問題点です。個人のドライブにあるファイルは、その人がアカウントを削除すると、共有されていたファイルも一緒に消えてしまいます。「あの人が作ったあの資料がないと…」と青ざめた経験はありませんか?共有ドライブはチームが所有者なので、メンバーが異動や退職をしてもファイルは安全に残ります。
- フォルダ構造が人それぞれでカオスに個人のドライブでは、各々が自分のルールでフォルダを作成・共有するため、他の人から見るとどこに何があるのか非常に分かりにくい状態になりがちです。結果として、ファイルを探す時間が大幅に増えてしまいます。
- 共有設定のミスによる情報漏洩リスクファイルやフォルダごとに手動で共有設定をしていると、誤って関係ない人に編集権限を与えてしまったり、リンクを知っている全員に公開してしまったり、といったミスが起こりやすくなります。
これらの問題を解決してくれるのが、今回ご紹介する「共有ドライブ」なのです。
チームの救世主!共有ドライブの3つの大きなメリット
では、共有ドライブを使うと、具体的にどんな良いことがあるのでしょうか。
メリット1:ファイルがチームの資産になる
前述の通り、ファイルはチームの所有物となります。これにより、メンバーの入れ替わりがあっても、重要な情報資産が失われる心配がありません。これは、ビジネスを継続していく上で極めて重要なことです。まさに、デジタル整理の基本と言えるでしょう。
メリット2:統一された分かりやすいフォルダ構造
共有ドライブでは、チームで一つのフォルダ構造を共有します。誰が見てもどこに何があるか一目瞭然な状態を維持しやすいため、ファイルを探す無駄な時間を削減できます。
メリット3:シンプルで安全なアクセス権管理
メンバーの役割に応じて、アクセス権限をきめ細かく設定できます。
- 管理者:すべての権限を持つリーダー
- コンテンツ管理者:ファイルの追加・編集・削除が可能
- 投稿者:ファイルの追加・編集のみ可能
- 閲覧者(コメント可):閲覧とコメントのみ可能
- 閲覧者:閲覧のみ可能
このように役割分担を明確にすることで、誤操作によるファイルの削除や、意図しない情報漏洩のリスクを大幅に低減できます。
今日から始める!共有ドライブの作成とメンバー追加方法
それでは、実際に共有ドライブを作成してみましょう。とても簡単なので、ぜひ一緒に試してみてください。(※共有ドライブは、Google Workspaceの特定のプランで利用できる機能です。個人の無料Googleアカウントでは利用できませんのでご注意ください。)
【ステップ1】共有ドライブを作成する
- パソコンでGoogleドライブを開きます。
- 左側のメニューから「共有ドライブ」をクリックします。
- 画面上部にある「+ 新規」ボタンをクリックします。
- 共有ドライブの名前(例:「営業部共有」「プロジェクトA」など)を入力し、「作成」をクリックします。
たったこれだけで、チーム専用の新しい保管場所が完成です!
【ステップ2】メンバーを追加して権限を設定する
- 作成した共有ドライブを開き、画面上部にある「メンバーを管理」をクリックします。
- 追加したいメンバーのメールアドレスを入力します。
- 各メンバーの右側にあるドロップダウンメニューから、先ほど説明した役割(管理者、コンテンツ管理者など)を選択します。
- 必要に応じてメッセージを記入し、「送信」をクリックします。
これで、チームメンバーが共有ドライブにアクセスできるようになりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。個人のGoogleドライブと共有ドライブの違い、そしてチームで利用する際のメリットがお分かりいただけたかと思います。
- ファイルの所有権が個人ではなく「チーム」になるのが最大の違い。
- メンバーの退職・異動があってもファイルは消えないので安心。
- 統一されたフォルダ構造で、ファイル探しが楽になる。
- きめ細かい権限設定で、セキュリティも向上する。
最初は少し戸惑うかもしれませんが、チームでのファイル管理を「共有ドライブ」に切り替えるだけで、日々の業務は驚くほどスムーズになります。ファイルを探す無駄な時間をなくし、もっと創造的な仕事に集中できるよう、ぜひ今日から活用してみてください。
今日のひとこと
最近、GoogleはAIを活用して、ドライブ内のファイルを自動で整理・提案してくれる機能のテストを進めているそうです。例えば、「〇〇プロジェクトに関するファイルをまとめて表示」といったことが、より賢くできるようになるかもしれません。テクノロジーの進化は、私たちの「探す」という行為そのものを過去のものにしてくれるかもしれませんね。楽しみです。
らくらスタイルは「日常をもっと楽に、楽しく」を目指して、ご相談内容に合わせてオーダーメイドのお手伝いをいたします。気軽にご相談ください。
明日のタイトルは
「データ整理法:安全なパスワード管理ツールのススメ(難易度★★★☆☆)」
です。お楽しみに!
※内容が変更になった場合はご容赦ください。
※曜日ごとのブログテーマは下記の通りです。
月曜日:パソコン設定
火曜日:Google活用術
水曜日:データ整理法
木曜日:エクセル時短術
金曜日:パワポプレゼン作成
土曜日:生成AI入門
日曜日:スマホ連携