「最近、なんでもかんでもクラウドに保存しましょうって言われるけど、パソコン本体に保存しちゃダメなんですか?」
お客様から、こんな素朴な疑問をいただくことがあります。
確かに、世の中は「クラウド保存」が主流です。「データはネット上に置くのが最先端!」という風潮がありますよね。
でも、ちょっと待ってください。
実は、あえてパソコンの中(ローカル)に保存したほうが、作業がスムーズに進むことだってあるんです。
私は新潟で「らくらスタイル」として活動していますが、基本的には面倒くさがりなので、クラウドの便利さは大好きです。でも、すべてのデータをクラウドに上げているわけではありません。「ここはアナログに」「ここはパソコンの中に」という使い分けこそが、快適なデジタル生活の鍵だからです。
今日は、クラウド全盛の今だからこそ知っておきたい、「あえてパソコン本体(ローカル)に残すべきデータ」について、初心者の方にも分かりやすくお話しします。
流行りに流されず、自分の使いやすい環境を作っていきましょう。
「ローカル保存」って、そもそもどういうこと?
専門用語っぽく聞こえますが、意味はとても単純です。
ローカルは「自分の机の引き出し」
「ローカル保存」とは、インターネット上ではなく、目の前にあるパソコンの中(ハードディスクやSSD)に直接データを保存することです。
例えるなら、「自分の机の引き出し」です。
椅子に座ったまま、サッと手で開けて、すぐに取り出せますよね。インターネットという「道路」を通って、遠くの倉庫(クラウド)まで取りに行く必要がありません。
この「距離の近さ」と「スピード」が、ローカル保存の最大の強みです。
なぜ、今あえて「ローカル」なの?
クラウドは便利ですが、万能ではありません。ローカル保存には、クラウドにはない3つのメリットがあります。
1. とにかく「速い」
インターネット回線の速度に左右されません。
例えば、動画の編集や、何百枚もの高画質な写真の整理など、重たいデータを扱うときは、パソコン本体にデータがあったほうが圧倒的にサクサク動きます。
「読み込み中…」のクルクル回るマークを待つ時間は、私のようなせっかちな人間にとっては大敵です。
2. インターネットがなくても使える
Wi-Fiがないカフェや、新幹線での移動中、あるいは通信障害が起きた時でも、ローカルにあるデータならいつも通り仕事ができます。
「ネットが繋がらないから何もできない!」という事態を防げるのは、大きな安心感です。
3. セキュリティの「壁」になる
インターネットに繋がっていない(同期していない)ローカルの場所は、外部からの不正アクセスのリスクが比較的低くなります。
絶対に流出してはいけない極秘のメモや、個人的すぎる日記などは、あえてクラウドに上げず、パソコンの中だけにひっそりとしまっておくのも一つの自衛策です。
らくらスタイル流:手元に残すべきデータの見極め方
では、具体的にどんなデータをローカルに置いておけばいいのでしょうか。私が実践しているルールを、3つのステップでご紹介します。
ステップ1:重たい「作業中」のデータを見分ける
まず、今まさに編集している「重たいデータ」はローカルに置きます。
例えば、年賀状作成ソフトの住所録データや、編集中のホームビデオのデータなどです。これらをいちいちクラウド経由で開こうとすると、パソコンの動きがカクカクして遅くなることがあります。
「作業が終わるまではパソコンの中(机の上)」に置いておき、完成したら「クラウド(書庫)」に移動する。
この流れを作ると、ストレスなく作業に集中できます。
ステップ2:「ダウンロード」フォルダを活用する
インターネットからダウンロードした申込用紙のPDFや、一時的に使うだけの画像素材。これらは、パソコンの「ダウンロード」フォルダに入りますよね。
実はこの「ダウンロード」フォルダこそ、代表的な「ローカル保存」の場所です。
こういった「一度使ったら捨てるかもしれない一時的なファイル」まで、わざわざクラウドに上げて同期する必要はありません。
私は、ダウンロードフォルダは「一時置き場」と割り切り、あえてクラウドとは同期させない設定にしています。これでクラウドの容量を無駄遣いせずに済みます。
ステップ3:機密情報は「オフライン」で管理する
これは少しアナログな考え方ですが、パスワードをメモした表や、マイナンバーなどの重要画像は、クラウドに同期されないフォルダを作り、そこに保存するのも手です。
もちろん、パソコン自体が壊れるリスクはあるので、これらはUSBメモリなどにもコピー(バックアップ)を取っておく必要がありますが、「ネットの向こう側に置かない」という選択肢を持つことも、デジタル整理の大切な視点です。
ローカル保存の落とし穴に注意
「じゃあ、全部パソコンに入れればいいの?」というと、それも危険です。
パソコンは機械です。ある日突然、電源が入らなくなることがあります。
ローカル保存(パソコンの中だけ)に頼りすぎると、パソコンが壊れた瞬間にすべてのデータを失ってしまいます。
だからこそ、前回の記事でもお伝えしたように、「大切なデータ」だけはクラウドや外付けHDDにコピー(バックアップ)しておく必要があるのです。
ローカルは「作業場」として優秀。
クラウドは「保管庫」として優秀。
この役割分担を忘れないでくださいね。
詳しいストレージの仕組みや使い分けについては、パソコンメーカーの富士通さんが公開しているコラムも参考になります。
富士通:ローカルストレージとクラウドストレージの違い
まとめ
「クラウド時代」と言われますが、すべてのデータを雲の上に上げる必要はありません。
サクサク作業したい「重たいデータ」は手元のローカルへ
一時的に使う「使い捨てデータ」も手元のローカルへ
万が一消えたら困る「大切なデータ」はクラウドへコピー
このように、「適材適所」で使い分けるのが、一番賢くて楽な方法です。
「ネットが遅いな…」と感じたら、作業中のファイルだけでもパソコンのデスクトップ(ローカル)に移動させてみてください。それだけで、驚くほど快適になるかもしれませんよ。
パソコンの動きを軽くする整理術など、らくらスタイルのブログで発信中
今日のひとこと
先日、ネット回線の工事で半日ほどWi-Fiが使えない日がありました。最初は焦りましたが、必要なデータをパソコン本体に保存してあったおかげで、驚くほど集中して執筆作業が進みました。「つながらない」環境は、時として最高の集中空間になるんですね。たまには「あえてオフライン」も良いものです。
らくらスタイルは「日常をもっと楽に、楽しく」を目指して、ご相談内容に合わせてオーダーメイドのお手伝いをいたします。気軽にご相談ください。
次回の予告
明日のタイトルは
「家族やチームとデータを安全に共有するためのルールと権限設定」
です。お楽しみに!
※内容が変更になった場合はご容赦ください。
#らくらスタイル #デジタル整理 #パソコン #新潟 #AI #ローカル保存 #クラウドストレージ #セキュリティ #オフライン #業務効率化

