「あれ、先週見つけたあの便利なサイト、どこだっけ?」
「A社さんのコーポレートサイト、前にお気に入りに入れたはずなのに…」
そう思って、あなたのパソコンのブラウザ(Google ChromeやEdgeなど)の「お気に入り(ブックマーク)」バーを開いてみたものの…。
そこには、いつ登録したかも分からないニュース記事、もう使わなくなったWebサービス、フォルダの中にさらにフォルダがぎっしりと詰まった「謎の階層」が広がっていて、結局、目当てのサイトが見つからない。
挙句の果てには、ブックマークバーがサイトのアイコンで溢れかえり、「>>」という記号の奥に追いやられてしまっている…。
「便利」なはずの機能が、もはや「不便」な「魔窟」になってしまっていませんか?
こんにちは。AIやITを活用して、面倒なデジタル業務やデータを整理するデジタル整理アドバイザー「らくらスタイル」です。
私自身、完璧主義でありながら、根はものすごく「めんどくがり」。
だから、「とりあえずお気に入り(Ctrl+D)」を繰り返した結果、ブックマークがカオスになる気持ちは痛いほど分かります。
でも、そのカオスな状態を放置しておくのは、完璧主義な心が許さない…。
このジレンマ、実は「ブックマーク」という機能の「役割」を誤解していることから始まっているんです。
今日は、「めんどくがり」な私たちでも「楽」に、そして「完璧」にスッキリした状態を維持できる、AI時代ならではのブックマーク整理術について、徹底的にお話しします。
なぜ、あなたのブックマークは「魔窟」になるのか?
そもそも、なぜブックマークはこんなにも散らかりやすいのでしょうか。
それは、他のデジタル整理と比べて、圧倒的に「保存が簡単すぎる」からです。
理由1:「Ctrl + D (Cmd + D)」が“楽”すぎるから
「あ、このサイトいいな」
そう思った瞬間、私たちは条件反射で Ctrl + D(Macなら Command + D)のショートカットキーを押していないでしょうか。
「保存しました」のポップアップ。OKボタンを押すだけ。
この「1秒の楽」が、将来の「10分の探す面倒」を生み出している元凶です。
11月4日の記事でお話しした「『いつか使うかも』は9割使わない」というデータ断捨離の法則は、ファイルだけでなく、このブックマークにも当てはまります。
「いつか読むかも」
「いつか役立つかも」
この「かも」の積み重ねが、魔窟の正体です。
理由2:「フォルダ分け」を完璧にしようとして挫折するから
散らかってきたな、と感じた完璧主義なあなたは、きっと「フォルダ分け」を試みたはずです。
「仕事」フォルダを作り、その中に「A社」「B社」…。
「趣味」フォルダを作り、その中に「料理」「カメラ」「旅行」…。
11月9日の記事でお話ししたフォルダ階層と同じで、これも「深く」しすぎると、かえって探せなくなります。
「このサイトは『仕事』の『資料』? それとも『学習』の『Webデザイン』?」
と、保存のたびに「迷う」という面倒が発生し、結果、また「とりあえず一番上に追加」に戻ってしまうのです。
理由3:「検索」したほうが早いことに気づいていないから
昔のインターネットならいざ知らず、現代の検索エンジン(Googleなど)は、驚くほど賢くなっています。
例えば、「新潟の天気予報」を知りたいとき、ブックマークから「ウェザーニュース」を探すより、検索窓に「新潟 天気」と打ち込んだほうが、0.5秒で答えにたどり着けます。
「ブックマークする(=記憶する)」という行為そのものが、AIが進化する現代においては、必ずしも効率的とは言えなくなってきているのです。
「らくらスタイル」流・ブックマーク整理の3大原則
では、どうすればいいのか。
「らくらスタイル」が提案する整理術は、「ブックマークに何を期待するか」という役割を、根本から変えてしまうことです。
原則1:ブックマークは「保管場所」ではなく「玄関マット」
これが最も重要な考え方です。
ブックマークは、あなたの「知識」や「資産」を永続的に保管する「本棚」ではありません。
それは、11月11日の記事でお話しした「99_一時保管」フォルダや、「ZZ_アーカイブ」フォルダの役割です。
ブックマークは、あくまで「一時的にアクセスしやすくする」ための「玄関マット」や「ショートカットキー」に過ぎません。
本当に「保管」したい情報(例:仕事で何度も見返すマニュアル、感動したブログ記事)は、ブックマークではなく、Notion や OneNote、Evernote といった「ノートアプリ」や、後述する「あとで読む」サービスに「本文ごと」保存すべきです。
原則2:「ブックマークバー」に置くのは「1軍」だけ
ブラウザを開いたときに、常に目に見えている「ブックマークバー(お気に入りバー)」。
ここが、あなたの「聖域」です。
ここにごちゃごちゃとサイトを並べるのは、11月16日の記事で警告した「スクリーンショットだらけのデスクトップ」と同じくらい非効率です。
「らくらスタイル」流の定義では、ここに置いていいのは「1軍」だけ。
「1軍」とは、「あなたが、毎日、あるいは1日に何度も開くサイト」です。
- 会社のWebメール(Gmail、Outlook)
- チャットツール(Chatwork、Slack、Teams)
- タスク管理ツール(Trello、Asana)
- 社内の勤怠システム
- Google カレンダー
これら「スタメン」以外のサイトは、絶対にブックマークバーに置いてはいけません。
完璧主義なあなたは、ここで「10個まで」と数に上限を設けると、さらにスッキリしますよ。
原則3:「2軍以下」は「検索」と「履歴」に任せる
「じゃあ、週に1回だけ使うサイトはどうするの?」
「たまにしか見ないけど、大事なサイトは?」
それらは「2軍」です。
そして「2軍」以下のサイトは、「ブックマーク」から探すのではなく、「検索」または「履歴」から探すほうが、結果的に「楽」なのです。
「A社のサイト」なら、Googleで「A社」と検索する。
「先週見たあのサイト」なら、ブラウザの「履歴」機能(Ctrl + H)を開く。
ブックマークフォルダの深い階層をクリック、クリック…とたどるよりも、検索窓にキーワードを打ち込むほうが、AIが賢くなった現代のパソコンでは圧倒的に速いのです。
実践!二度と散らからない「聖域」の作り方
理屈は分かりました。では、具体的にどうやって、今の「魔窟」を「聖域」に変えるのでしょうか。
めんどくさがりでもできる、3ステップをご紹介します。
ステップ1:まず「ブックマークバー」を空(カラ)にする
今すぐ、あなたのブックマークバーを「リセット」しましょう。
- ブラウザの「ブックマーク マネージャー(すべてのブックマークを表示)」を開きます。(Chromeなら、右上の「…」→「ブックマーク」→「ブックマーク マネージャー」)
- 「ブックマークバー」フォルダの中にある、すべてのブックマークとフォルダを、
Ctrl + A(すべて選択)で選びます。 - それらを、「その他のブックマーク」フォルダの中に、ドラッグ&ドロップですべて移動させます。(消すのが怖い場合は、一時的に「
99_仕分け待ち」フォルダを作ってそこに入れてもOKです)
これで、あなたのブックマークバーは、スッキリ「0件」になりました。
ステップ2:厳選した「1軍」だけを戻し、「名前」を消す
次に、リセットしたブックマークバーに、「本当に毎日使う」1軍のサイト(Gmailなど)だけを、先ほどの「仕分け待ち」フォルダから戻します。
そして、ここからが「らくらスタイル」流、究極の「楽する」小技です。
- ブックマークバーに戻した「Gmail」のブックマークを右クリックします。
- 「編集」を選びます。
- 「名前」の欄に「Gmail」と入っていますが、これをすべて削除し、空欄にします。
- 「保存」を押します。
どうでしょう?
ブックマークバーには、「Gmail」という文字が消え、カラフルな「G」のアイコン(ファビコンと言います)だけが残ったはずです。
これを、あなたの「1軍」すべて(カレンダー、チャット、勤怠システム…)で行います。
すると、ブックマークバーは、**アイコンだけが美しく並ぶ「ランチャー」**に生まれ変わります。
これなら、10個や15個並べても、バーはスッキリしたまま。
完璧主義な心も満たされ、クリックするのも「楽しい」ですよね。
ステップ3:「その他のブックマーク」を「一時保管庫」として扱う
「ブックマークバー」は聖域化できました。
では、移動させた「その他のブックマーク」や「仕分け待ち」フォルダはどうするのか。
ここは、11月17日のメール整理で学んだ「Inbox Zero」の考え方と同じです。
ここを「一時保管庫」として使い、定期的に「0件」にすることを目指します。
「その他のブックマーク」の中に、最低限のフォルダを作ります。
01_仕事関連(顧客リスト、よく使うシステムなど)02_資料・学習(たまに見返す技術ブログなど)03_あとで読む(最重要!)99_仕分け待ち(先ほどのゴミ箱)
そして、週に一度(金曜の午後など)、「99_仕分け待ち」と「03_あとで読む」フォルダを見直します。
- 「あ、これ結局読まなかったな」 → 迷わず削除(ブックマークから削除)
- 「これは大事な資料だ」 →
Notionなどに「本文ごと」保存し、ブックマークからは削除 - 「これは来週も使いそう」 →
01_仕事関連に移動
「ブックマークは“保管”しない」という原則を徹底することが、リバウンドしない唯一の方法です。
「あとで読む」の最強の受け皿(外部リンク)
「でも、どうしても“あとで読みたい”記事が溜まっちゃうんだよ!」
という、めんどくさがりなあなたへ。
その気持ち、よく分かります。
そんな「あとで読む」の管理に、「ブックマーク」機能は不向きです。
最強の受け皿は、「あとで読む」専用サービスを使うことです。
「らくらスタイル」の一押しは、「Save to Notion」です。
これは、ブラウザの拡張機能から、ボタン一つで「記事」をNotionに保存できるサービスです。
なぜ Save to Notionが最強なのか?
- 保存が「楽」:
Ctrl + Dより簡単かもしれません。 - リストでまとめられる:Notionで好きな形にまとめられスッキリ表示されます。
- スマホで読める: PCで保存した記事の続きを、通勤中のスマホで「楽」に読めます。
- オフラインでも読める: 一度保存すれば、電波がなくても読めます。
「サイト(トップページ)を登録する」のがブックマーク。
「リンクを1か所にまとめる」のがSave to Notion。
この使い分けを覚えるだけで、あなたの「あとで読む」ストレスはゼロになります。
(私たちらくらスタイルのサイトやブログ記事も、ぜひPocketで保存して、ゆっくり読んでみてくださいね)
まとめ:あなたのブラウザを「1軍」だけの聖域に
ごちゃごちゃのブックマークは、あなたの集中力と思考を妨げる「ノイズ」です。
「とりあえず」で溜め込むのは、今日で終わりにしましょう。
- 原則1:「ブックマークバー」に置くのは「毎日使う1軍」だけ。
- 原則2:「保管」したい情報は、ブックマークではなく「ノートアプリ」や「Pocket」へ。
- 原則3:「2軍」以下のサイトは、無理に整理せず「検索」や「履歴」に任せる。
- 実践テク1:「1軍」ブックマークは、「名前」を消して「アイコンだけ」にすると超スッキリ!
- 実践テク2:「あとで読む」フォルダは週に一度見直し、不要なものは即削除する。
まずは、あなたのブックマークバーから、「名前」を消す小技を1つ、試してみませんか?
今日のひとこと
Google ChromeやMicrosoft Edge、Firefoxといった最近のブラウザには、「同期(シンク)機能」が標準搭載されています。
これは、あなたのGoogleアカウントやMicrosoftアカウントでブラウザに「ログイン」しておくだけで、ブックマーク、閲覧履歴、さらには拡張機能の設定まで、すべて自動でクラウドに保存・同期してくれる機能です。
私が新潟のオフィスで使っているメインPCで「A社」をブックマークすると、自宅のノートPCや、出先のスマホのChromeにも、数秒後には「A社」のブックマークが自動で追加されます。
これぞ、AIとクラウドが連携した「楽する」機能の真骨頂ですね。面倒な「お気に入りの移行作業」は、もう過去のものになりました。
(この「クラウド同期」の話は、明後日以降にさらに詳しくお話ししますね!)
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明日のタイトルは
「データ整理のゴールは「安心」!今さら聞けないバックアップの基本(3-2-1ルールとは?)」
です。お楽しみに!
※内容が変更になった場合はご容赦ください。
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