メールに添付されてきたPDF、Webサイトからダウンロードした資料…。
「さて、このファイル、どこに保存しよう?」
そう考えて、手が止まってしまった経験はありませんか?
「A社のフォルダに入れるほどでもないし、かといってプライベートの資料でもないし…うーん、どうしよう…」
そして、根がめんどくさがりの私たちは、つい一番簡単な逃げ道を選んでしまいます。
「ああ、もういいや! とりあえずデスクトップに置いておこう!」
その「とりあえず保存」を繰り返した結果、あなたのパソコンのデスクトップは、アイコンで埋め尽くされていませんか?
あるいは、「ダウンロード」フォルダが、いつダウンロードしたかも分からないファイルでパンク状態になっていませんか?
こんにちは。AIやITを活用して、面倒なデジタル業務やデータを整理するデジタル整理アドバイザー「らくらスタイル」です。
私自身、完璧主義なところがある一方で、信じられないほどのめんどくさがりでもあります。
だから、デスクトップが散らかっている状態はストレスでしかない。
でも、ファイルを保存するたびに「これはCドライブの、仕事フォルダの、Bプロジェクトの、参考資料フォルダに…」と、完璧に分類するのも、それはそれですごく面倒なんです。
この「完璧主義」と「めんどくさがり」という、相反する性格。
実は、パソコンのデジタル整理においては、多くの人がこのジレンマに陥っています。
今日は、このジレンマを解消し、「楽」をしながら「スッキリ」を維持するための、魔法のようなルール。「一時保管」フォルダの活用術について、徹底的にお話しします。
なぜ「デスクトップ」と「ダウンロード」フォルダは魔窟になるのか
多くのパソコン初心者の方が、「とりあえず保存」の場所に選んでしまうのが、デスクトップとダウンロードフォルダです。
その気持ち、痛いほどわかります。だって、一番「楽」な場所にあるのですから。
しかし、この2つの場所は、デジタル整理において最も「散らかってはいけない」場所でもあるのです。
デスクトップは「作業机」、ダウンロードは「玄関マット」
「らくらスタイル」では、パソコンの場所をよく「家」に例えます。
- デスクトップは、あなたの「作業机」です。作業机の上が、読みかけの雑誌、昨日食べたお菓子のゴミ、半年前のDMで埋め尽くされていたら、今日の仕事に取り掛かる集中力は湧いてきますか? 湧きませんよね。
- ダウンロードフォルダは、家の「玄関マット」です。外から持ってきた荷物を、とりあえず置く場所。でも、玄関マットの上に荷物を積み上げ続けたら、どうなりますか? 家に入れなくなってしまいます。
この2つの場所は、「一時的にモノを置く」場所ではあっても、「保管する(しまう)」場所ではないのです。
「とりあえず」が「ずっと」に変わる恐怖
「とりあえず」の最大の罠は、9割のファイルが「ずっと」そこにとどまってしまうことです。
めんどくさがりの私たちは、「あとで整理しよう」と考えます。
でも、「あとで」は永遠に来ません。
(「いつか使うかも」は9割使わないという話も、以前しましたね)
結果、デスクトップやダウンロードフォルダは、ゴミと宝物が混在する「魔窟」と化します。
こうなると、いざ「あのファイル、どこだっけ?」と探すときに、膨大なゴミの中から宝物を探し出す羽目になり、多大な時間を浪費するのです。
解決策:めんどくさがりのための「公認」一時保管庫
では、どうすればいいのか。
「らくらスタイル」の答えはシンプルです。
「とりあえず保存したい」という、そのめんどくさがりな感情を、無理にねじ伏せないこと。
その代わり、「とりあえず」を安全に受け止めてくれる「公認の場所」を作ってあげるのです。
それが、「一時保管」フォルダです。
(私は「INBOX(インボックス)」や「未分類」と呼んだりもします)
これは、作業机(デスクトップ)の上をキレイに保つために、机の脇に置く「書類トレー」のようなものです。
「まだ処理していないけど、捨てるわけじゃない」書類を、一時的にポンと放り込んでおくための場所。
これがあるだけで、精神的な負担が劇的に変わります。
「分類しなきゃ…」という完璧主義のストレスと、「面倒だな…」という怠惰な気持ちの両方から、解放されるのです。
実践!「一時保管」フォルダの作り方と鉄板ルール
理屈は簡単です。大事なのは、どうやって「楽」に運用するか。
めんどくさがりでも絶対に続く、具体的なステップをご紹介します。
ステップ1:フォルダを作る(場所が重要)
まず、「一時保管」フォルダをどこに作るか。
これは、11月9日の記事でお話しした「フォルダ階層」の考え方が役立ちます。
「01_仕事」「02_プライベート」といった1階層目のフォルダ群と同じ場所に、「最後」に来るように作るのがおすすめです。
【らくらスタイル流:1階層目の例】
C:\Users\YourName\Documents(ドキュメント)フォルダの中や、Dドライブ直下などに…
01_仕事02_プライベート03_学習04_資料・テンプレート99_一時保管← コレです!
なぜ「99」という数字を付けるのか?
それは、名前順で並べたときに必ず一番下に来るからです。「主役」ではないけれど、必ずそこにある、という「定位置」を与えることが大切です。
ステップ2:特等席に「ショートカット」を置く
99_一時保管 フォルダを作りました。
でも、これでは保存するときに Documents フォルダを開いて 99_一時保管 を選ぶ…という手間がかかります。
これでは、めんどくさがりな私たちは、結局デスクトップに保存してしまいます。
だから、**デスクトップに保存するのと同じくらい「楽」**なアクセス手段を用意します。
方法A:デスクトップにショートカットを置く
99_一時保管 フォルダを右クリックして「ショートカットの作成」を選び、そのショートカットをデスクトップに置きます。
11月3日の記事でも触れましたが、デスクトップに置いていいのは、この「一時保管」ショートカットなど、ごくわずかです。
方法B:クイックアクセス(お気に入り)に登録する
Windowsなら「クイックアクセス」、Macなら「よく使う項目」に、この 99_一時保管 フォルダをドラッグ&ドロップして登録します。
こうすれば、ファイルを「名前を付けて保存」するとき、常に左側に見えているので、ワンクリックで選べます。
これで、「保存する面倒くささ」は、デスクトップとほぼ同じになりましたね。
ステップ3:「一時保管」フォルダの鉄板ルール
さて、場所はできました。
ここからが「らくらスタイル」流、つまり「めんどくさがりな完璧主義者」のための、最重要ルールです。
このフォルダが「第二の魔窟」にならないために、3つのルールを守ってください。
ルール1:保存時は「3秒」迷ったら、即「一時保管」へ
新しいファイルを保存する瞬間。
「えーっと、これは…」
と、3秒考えても完璧な保存場所(例:01_仕事/A社/見積書)が思い浮かばなかったら、それ以上悩むのは時間のムダです。
何も考えず、99_一時保管 フォルダに保存してください。
この「悩まなくていい」という許可こそが、日々の「楽」を生み出します。
ここで重要なのは、ファイル名も凝らなくて良い、ということです。ダウンロードしたファイル名のままでも構いません。(もちろん、昨日お話ししたファイル名の付け方ができそうなら、軽く付けてもOKです)
ルール2:必ず「週に一度」だけ、中身を空(カラ)にする
これが「完璧主義」の魂を満たす、最も重要なルールです。
99_一時保管 フォルダは「ホテル」です。滞在は許可しますが、「永住」は許可しません。
週に一度、例えば「金曜日の午後3時」など、時間を決めてください。
カレンダーに「一時保管フォルダ整理」と登録してしまうのがおすすめです。
その時間になったら、99_一時保管 フォルダを開き、そこにあるファイルを上から順番に処理していきます。
この「処理」の作業を、専門用語で「トリアージ(選別)」と呼びます。
ルール3:処理は「移動」か「削除」の二択のみ
トリアージのルールは冷徹です。
99_一時保管 フォルダに残っているファイル
1つひとつに対して、**「移動」か「削除」**のどちらかの運命を決定します。
1. 移動(正式な住所へ)
「ああ、これは先週のA社との打ち合わせメモだな」
と判断したら、ここで初めて「完璧主義」を発動させます。
- 昨日の記事で学んだ「
20241108_A社_定例MTG議事録_v1.docx」のように、完璧なファイル名を付け直します。 - そして、
01_仕事/A社/議事録のような、**完璧な保存場所(フォルダ)**へ移動させます。
2. 削除(ゴミ箱へ)
「このPDF、Webサイトの参考で見ただけだな」
「この画像、もう使わないな」
と判断したら、迷わず「Delete」キーを押してゴミ箱へ移動させます。
これを繰り返し、99_一時保管 フォルダの中身が「0件」になったら、その週のタスクは完了です。
なぜ、この方法が「楽」で「スッキリ」するのか?
このルールの最大のメリットは、「作業を分離」できることです。
- 日々の作業中(平日): 面倒な「分類」を一切考えず、「保存」という行為だけに集中できる。(=楽)
- 週に一度(金曜): 「分類」という知的作業だけに集中し、フォルダを空にする。(=スッキリ)
「保存するたびに分類する」という面倒な作業を毎日行うのではなく、「保存は雑に、分類はまとめて丁寧に」と分けることで、両方のストレスをなくすのです。
これは、GTD(Getting Things Done)という有名なタスク管理術の「インボックスを空にする」という考え方にも通じます。
難しいことは抜きにしても、要は「頭の中の『やらなきゃ』を、一時的に信頼できる場所に追い出す」ためのテクニックなのです。
AI時代にも「一時保管」フォルダが効く理由
「最近はAIが賢いから、適当に保存しても見つけてくれるのでは?」
そう考える方もいるでしょう。確かに、WindowsのCopilotやAppleのSpotlightなど、検索技術は進化しています。
しかし、AIも万能ではありません。
特に、私たちらくらスタイルが拠点を置く新潟のような地域でも、AI活用の相談は増えていますが、AIを賢く使うには「下ごしらえ」が欠かせません。
AIがデスクトップやダウンロードフォルダを検索した結果、「企画書(最新).pptx」と「企画書(最終)(2).pptx」と「一時保管/企画書.pptx」が混ざって出てきたら、AIも「どれが本当の最新ですか?」と混乱します。
99_一時保管 フォルダという「ゴミ(かもしれない)置き場」を明確に分けておくことで、AIに対して「ここ(一時保管)は検索しなくていいよ」と教えることができます。
これにより、AIの検索精度が上がり、私たちはより「楽」に、本当に必要なファイルだけを見つけられるようになるのです。
デジタル整理は、AIを賢く育てるための「しつけ」でもあるんですね。
まとめ:「とりあえず」の避難所を作ろう
ごちゃごちゃのデスクトップを見て「ああ、片付けなきゃ…」とため息をつくのは、もう終わりにしましょう。
めんどくさがりな自分を責める必要はありません。その性格を「仕組み」でカバーすれば良いのです。
- 「とりあえず保存」は、デスクトップではなく「
99_一時保管」フォルダへ。 - フォルダは1階層目に作り、ショートカットでアクセスしやすくする。
- 保存時は「悩まない」、処理は「週に一度」まとめて行う。
- 処理は「完璧な名前で移動」か「迷わず削除」の二択。
まずは、99_一時保管 フォルダを1つ、作ってみるところから始めてみませんか?
それだけで、あなたのデスクトップは驚くほどスッキリし、日々の「楽」と「楽しい」に一歩近づくはずです。
今日のひとこと
最近のWebサービスやアプリ、特に「ChatGPT」や「Notion」などのAIツールを使っていると、「クイックキャプチャ(Quick Capture)」という機能に出会うことが増えました。
これは、「あ、今いいこと思いついた!」というアイデアを、分類を考えずに「とりあえず」メモしておくための機能です。
まさに、今日お話しした「一時保管」フォルダの考え方そのものですよね。
デジタル世界では、「いかに『とりあえず』を素早く捕まえて、後でじっくり処理するか」が、快適さの鍵になっています。
私たちのパソコンのファイル整理も、そうした最新の考え方を取り入れて「楽」をしていきましょう。
らくらスタイルは「日常をもっと楽に、楽しく」を目指して、ご相談内容に合わせてオーダーメイドのお手伝いをいたします。気軽にご相談ください
明日のタイトルは
「完結したプロジェクトフォルダはどうする?「アーカイブ」フォルダの賢い作り方」
です。お楽しみに!
※内容が変更になった場合はご容赦ください。
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