あなたのパソコンのデスクトップや「ドキュメント」フォルダ、こんなファイル名であふれかえっていませんか?
企画書(最新).pptx企画書(最終版).pptx企画書(本当に最後)_fix.pptx企画書(最新)(2).pptxコピー ~ 企画書(最新).pptx
そして数週間後、「あれ、結局どれが本当に“最新”のファイルだっけ…?」と、一つひとつファイルを開いて確認する作業に、貴重な時間を奪われてしまっている…。
ドキッとした方、多いのではないでしょうか。
これは、パソコン作業における「あるある」な悩みですが、実はデジタル整理の世界では、最も避けたい「時間のムダ遣い」の一つなんです。
こんにちは。AIやITを活用して、面倒なデジタル業務やデータを整理するデジタル整理アドバイザー「らくらスタイル」です。
完璧主義な一面もありつつ、根はものすごく「めんどくさがり」な私だからこそ、この「ファイル探し」という非効率な時間が大嫌いです。どうせなら、もっと楽に、一瞬で目的のファイルにたどり着きたいですよね。
昨日の記事では、失敗しないフォルダ階層の作り方(3階層ルール)についてお話ししました。「タンス(大分類)」と「引き出し(中分類)」と「仕切り箱(小分類)」で、ファイルの「住所」を整えました。
ですが、せっかく住所を整えても、その箱の中に入っている「モノ(ファイル)」自体に名前が書いていなかったり、分かりにくい名前がついていたりしたら、結局、箱を全部ひっくり返して探すことになってしまいます。
今日お話しするのは、その「モノ(ファイル)」に貼る「ラベル」=ファイル名の付け方についてです。
「ファイル名なんて、分かりゃいいんでしょ?」と思うかもしれません。
いいえ、違います。
ファイル名は、「未来の自分」や「チームの仲間」に向けた、最強の引継ぎ資料なんです。
一度「鉄板ルール」を身につけてしまえば、あなたは二度と「あのファイル、どこだっけ?」と悩むことがなくなります。探す時間がゼロになる、究極の「楽する」技術。パソコン初心者の方にも分かりやすく、丁寧にお伝えしますね。
なぜ「ファイル名のルール化」が最強の時短術なのか?
そもそも、なぜ私たちはファイル名にこだわる必要があるのでしょうか。
それは、私たち人間と、パソコンの「得意なこと」が違うからです。
- 人間の得意なこと: あいまいな記憶をたどる。「確か、あのへんに…」
- パソコンの得意なこと: ルールに基づいたデータを「検索」する。
私たちが「えーっと、先週作ったあの資料…」と頭を悩ませている間も、パソコンは「ファイル名に“A社”と“11月”と“見積書”が含まれるファイル」という命令さえあれば、0.1秒もかからずに該当ファイルを見つけ出してくれます。
つまり、私たちがやるべきことは、パソコンが検索しやすいように「ファイル名」を整えてあげること、ただそれだけなんです。
「最新」や「最終」がダメな理由
冒頭で挙げた「最新」や「最終」といった言葉。これは、ファイル名において「絶対に使ってはいけないNGワード」だと、らくらスタイルは考えています。
なぜなら、それらの言葉は「更新された瞬間にウソになる」からです。
企画書(最新).pptx を少し手直しして保存したら、その瞬間、企画書(最新).pptx は「最新」ではなくなります。そして、「企画書(最新)(2).pptx」という、さらにカオスなファイルが生まれるだけなのです。
これでは、人間もパソコンも混乱するばかりですよね。
チームで働くなら「共通言語」になる
もしあなたがチームで仕事をしているなら、ファイル名のルール化は「マナー」であり「共通言語」です。
例えば、私が拠点にしている新潟のオフィスから、東京のチームメンバーにファイルを送るとします。
そのファイル名が 241110_らくらスタイル_ブログ記事案_v2.docx となっていれば、受け取った人はファイルを開かなくても、
「ああ、11月10日に作られた、らくらスタイルのブログ記事案で、バージョン2(一度修正が入ったもの)だな」
と、瞬時に理解できます。
これがもし 記事(1).docx だったら…? 想像するだけで恐ろしいですね。
デジタル整理は、思いやりでもあるのです。
これだけは押さえたい!ファイル名の「3大要素」
では、具体的にどんなファイル名を付ければ良いのでしょうか?
「完璧」を目指すと長続きしません。「めんどくさがり」な私たちでも続けられる、必要最低限にして最強の「3大要素」をご紹介します。
それは、「日付」「プロジェクト名(内容)」「バージョン」の3つです。
① 日付:すべては「いつ」から始まる
まず、最も重要なのが「日付」です。
「いつ作ったファイルなのか」という情報は、デジタルデータにおいて命とも言えます。
鉄板ルール:「YYYYMMDD」または「YYMMDD」の半角数字
日付の書き方には、いろいろな流派があります。
「2024年11月10日」
「2024.11.10」
「2024/11/10」
「R6.11.10」
ですが、パソコンでファイルを管理する上での「正解」は、ただ一つです。
それは、20241110(8桁) または 241110(6桁) という形式です。
なぜ、この形式(YYYYMMDD)が最強なのか?
理由は単純明快です。
「フォルダ内で名前順に並べたときに、自動的に時系列順になるから」です。
ちょっと想像してみてください。以下のファイルがフォルダに入っていたら、どう並ぶでしょう?
11月10日_企画書.pptx1月30日_企画書.pptx9月5日_企画書.pptx
パソコンは「文字コード順」で並べるので、「1」が先頭に来る 11月10日 や 1月30日 が先に来てしまい、時系列はバラバラです。
では、「YYYYMMDD」形式ならどうでしょう?
20240130_企画書.pptx20240905_企画書.pptx20241110_企画書.pptx
美しい…。
これなら、一番下が一番新しいファイルだと一目で分かりますよね。古いファイルも自動的に整理されます。
これこそが、私たちが「楽」をするための仕組みです。
【初心者さん向けメモ】
YYYYは西暦4桁(Year)、MMは月2桁(Month)、DDは日2桁(Day)のことです。- 1月なら「01」、3日なら「03」と、必ず2桁で揃える(ゼロ埋めする)のがコツです。
2024/11/10の「/(スラッシュ)」は、ファイル名に使えないOS(パソコンの基本ソフト)が多いので、使わないのが賢明です。
② プロジェクト名(または顧客名):これは「何」のファイル?
次に必要なのが、「これは何のファイルか?」という情報です。
日付だけでは、20241110_資料.pptx となり、何についての資料か分かりません。
鉄板ルール:分かりやすく、短く、統一する
そのファイルが「誰のための」「何のための」ものなのかを簡潔に示します。
- 顧客名: 「A社」「Bプロジェクト」など
- ファイルの種類: 「見積書」「請求書」「議事録」「提案資料」など
ここで大事なのは、「言葉の統一(揺らぎをなくす)」ことです。
めんどくさがりな私たちは、その日の気分で「A社」と書いたり「A株式会社さま」と書いたりしがちです。
でも、これをやってしまうと、いざ「A社」で検索したときに、「A株式会社さま」のファイルがヒットしなくなってしまいます。
A社 なら A社らくらスタイル なら らくら見積書 なら 見積
こんなふうに、自分の中(あるいはチームの中)で「略称ルール」を決めてしまうのが、後々「楽」をするための最大のコツです。
③ バージョン管理:「どれ」が最新か一発で分かるように
そして、あの忌まわしき「最新」「最終」の呪いから解放してくれるのが、「バージョン管理」です。
鉄板ルール:「v(ブイ)」+半角数字
やり方は簡単です。ファイル名の末尾に「バージョン(版)」を示す記号を付けるだけ。
私のおすすめは、v(versionの略)と数字の組み合わせです。
- 最初に作ったファイル:
..._v1.pptx - 修正を加えたら:「別名で保存」を選び、
..._v2.pptxとして保存する。 - さらに修正したら:
..._v3.pptxとして保存する。
なぜ「別名で保存」するのか?
「上書き保存」してしまえば、ファイルは1つで済むのに、なぜわざわざ「別名で保存」するのでしょうか?
それは、「前の状態に戻れなくなる」リスクを防ぐためです。
「あ! やっぱり昨日修正する前の状態に戻したい!」
「クライアントから『最初の案のほうが良かった』と言われた!」
こんなとき、v1 v2 と履歴を残しておけば、慌てる必要は一切ありません。v1 のファイルを開けば良いだけです。
これは、完璧主義な心も満たしつつ、いざという時の保険にもなる、めんどくさがりにとっての「安心材料」なんです。
v1.0 v1.1 v2.0 …と細かく管理する方法もありますが、まずは v1 v2 だけで十分です。シンプルなルールこそが、長続きの秘訣ですからね。
完成形!「らくらスタイル」流・命名規則の実践例
さあ、これら「3大要素」が出揃いました。
あとは、これらを「つなげる」だけです。
つなげるときに便利なのが、_(アンダーバー) または -(ハイフン) です。
(個人的には、単語の区切りがハッキリ見える _(アンダーバー)をおすすめします)
基本の並び順:「日付」+「プロジェクト名」+「ファイル名」+「バージョン」
この順番が、らくらスタイルが推奨する「黄金の並び順」です。
[日付]_[プロジェクト名]_[ファイルの種類]_[バージョン].拡張子
拡張子(.pptx や .docx など)は、パソコンが自動で付けてくれるので、私たちはその手前までをルール化します。
具体例を見てみましょう
昨日の「3階層フォルダ」の 01_仕事/A社/提案資料 という「仕切り箱」の中を想像してください。
× 悪い例(ルールがない状態)
企画書(最終).pptx企画書(A社).pptx11月提出ぶん.pptx企画書(最新)(2).pptx
これでは、どれが最新で、いつ作ったものかサッパリ分かりません。
◎ 良い例(らくらスタイル流ルール適用後)
20241015_A社_提案資料_v1.pptx20241020_A社_提案資料_v2.pptx20241105_A社_追加提案資料_v1.pptx20241110_A社_追加提案資料_v2.pptx
どうでしょう?
ファイルが自動的に日付順に並び、A社 というプロジェクトで絞り込まれ、v2 が最新版だと、ファイル名を見るだけで一瞬で判断できます。
探す必要がありません。そこに見えているのですから。
これこそが「楽」な状態です。
このルールが「めんどくさい」と感じる、めんどくさがりのあなたへ
ここまで読んで、「うわ、ファイル名にいちいち日付とかv1とか入れるの、めんどくさい…」と思った方もいるでしょう。
その気持ち、痛いほど分かります。私も根はめんどくさがりですから。
でも、考えてみてください。
「保存するときの10秒」と、「探すときの10分」、どちらが面倒でしょうか?
最初の「10秒」が未来の「10分」を節約する
ファイルを保存するときに、[ 2 ][ 0 ][ 2 ][ 4 ][ 1 ][ 1 ][ 1 ][ 0 ] [ _ ] [ A ] [ 社 ] [ _ ] ...
とキーボードを打つ時間は、慣れれば10秒もかかりません。
この「未来への投資」とも言える10秒を面倒くさがったがために、「あれ、どこだっけ?」とフォルダをカチカチ探し回り、見つからず、イライラし、検索窓にいろいろなキーワードを打ち込み、結局5分、10分と時間を浪費してしまう…。
めんどくさがりだからこそ、後で発生する「より大きな面倒(探すストレス)」を、先回りして潰しておきたいのです。
AI時代だからこそ「ルール」が活きる
「これからはAIが全部やってくれるんでしょ?」
そう考える方もいるかもしれません。確かに、WindowsのCopilotや様々なAI技術が、私たちの作業を助けてくれるようになっています。
ですが、AIも「ルール化されたデータ」が大好きなんです。
あなたがAIアシスタントに「先月のA社向けの最新提案書を探して」と頼んだとします。
AIは、20241020_A社_提案資料_v2.pptx というファイル名を見れば、「これですね!」と自信を持って提示してくれます。
しかし、企画書(最終)(3).pptx というファイル名だったらどうでしょう?
AIも「(“最終”と“3”がありますが、どちらがご希望ですか…?)」とお手上げになってしまいます。
デジタル整理をしっかり行い、ファイル名にルールを持たせることは、AIという賢い相棒に「楽」をさせてあげるための、私たち人間にしかできない下準備でもあるのです。
らくらスタイルでは、こうしたAI時代を見据えたデジタル整理術もご提案しています。
まとめ:まずは今日のファイル1つから
ファイル名の付け方は、一度決めてしまえば、あとは「習慣」にするだけです。
完璧主義を発揮して「過去のファイルを全部直すぞ!」と意気込むと、めんどくさくなって挫折します。
まずは、今日、今から保存するファイル1つだけ、このルールで名前を付けてみませんか?
- 「最新」「最終」は今日で卒業!
- これらの言葉は、未来の自分を混乱させるウソの情報です。
- 3大要素を意識しよう
- ① 日付:
YYYYMMDD(例:20241110) - ② 内容: 誰の・何の (例:
A社_見積書) - ③ バージョン:
v1v2…
- ① 日付:
- 黄金の並び順はコレ!
[日付]_[プロジェクト名]_[ファイルの種類]_[バージョン]- 例:
20241110_A社_提案資料_v1.pptx
- 保存の10秒で、未来の10分を買おう
- 「めんどくさい」のは「探す」こと。だからこそ、保存の時に「楽」をする仕組みを作るのです。
この小さな一歩が、あなたのパソコン業務を劇的に「楽」にしてくれるはずです。
今日のひとこと
「ルールは分かったけど、すでにフォルダの中にある大量のファイルを全部手作業で直すのは、さすがにめんどくさい…」
そんな方に朗報です。
Windows 10や11をお使いなら、Microsoftが公式に提供している無料ツール群「PowerToys(パワートイズ)」というものがあります。
(詳しくはこちらのMicrosoft公式サイトをご覧ください)
この中に入っている「PowerRename」という機能が、まさに天才なんです。
これを使うと、「このフォルダの中にあるファイル名のうち、“企画書”という部分を全部“提案資料”に置き換える」とか、「全部のファイル名の先頭に“2024_”を付ける」といった作業を、一括で、安全に(プレビューしながら)行うことができます。
過去のデータを整理したい完璧主義なあなたも、これを使えば「楽」にリネーム作業ができますよ。
らくらスタイルは「日常をもっと楽に、楽しく」を目指して、ご相談内容に合わせてオーダーメイドのお手伝いをいたします。気軽にご相談ください
明日のタイトルは
「「とりあえず保存」を防ぐ!カテゴリ分けできないファイルの一時保管ルール」
です。お楽しみに!
※内容が変更になった場合はご容赦ください。
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