こんにちは!デジタル整理アドバイザーの「らくらスタイル」です。
「見積書や契約書など、大事なファイルをメールで送りたいけど、そのまま添付するのは少し不安…」
「関係者以外には、ファイルの中身を見られたくないな…」
ビジネスシーンでは、このような場面がよくありますよね。そんな時に役立つのが、ファイルに鍵をかける**「パスワード付きZIPファイル」**です。ひと手間かけるだけで、ファイルの安全性が格段に向上します。
今回は、Windowsの標準機能だけで、このパスワード付きZIPファイルを簡単に作成する方法をご紹介します。特別なソフトをインストールする必要はありませんので、パソコン初心者の方も安心してついてきてくださいね。これは、情報を安全にやり取りするための、デジタル整理の基本スキルです。
ZIPファイルって、そもそも何?
本題に入る前に、少しだけ「ZIPファイル」についておさらいしましょう。
ZIPファイルとは、一言でいうと**「複数のファイルやフォルダを一つにまとめて圧縮する技術(書庫のようなもの)」**です。
- まとめる:バラバラのファイルを一つにまとめられるので、メールの添付などが楽になります。
- 圧縮する:ファイルのサイズを小さくできるので、送受信の時間を短縮できます。
そして、このZIPファイルには、解凍(展開)する際にパスワードを要求するように設定する機能があります。これを利用することで、万が一メールを誤送信してしまっても、パスワードを知らない第三者がファイルを開くのを防ぐことができるのです。
パスワード付きZIPファイルを作成する3つのステップ
それでは、Windows 10やWindows 11に標準で備わっている機能を使って、実際にパスワード付きZIPファイルを作成してみましょう。
【ステップ1】ファイルやフォルダをまとめる準備をする
まず、パスワードをかけて送りたいファイルやフォルダを、デスクトップなどの分かりやすい場所に一つにまとめます。複数のファイルがある場合は、新しいフォルダを一つ作成し、その中にすべて入れておくと管理が楽になります。
【ステップ2】ファイルをZIP形式で圧縮する
次に、パスワードをかけたいファイル(またはフォルダ)を右クリックします。表示されたメニューの中から、「送る」→「圧縮 (zip 形式) フォルダー」を選択します。
すると、同じ場所に、名前に「.zip」がついた、ファスナーの絵のアイコンが作成されます。この時点では、まだパスワードはかかっていません。ただの圧縮されたファイルです。
【ステップ3】ZIPファイルにパスワードを設定する
ここが一番のポイントです。実は、Windowsの標準機能だけでは、既存のZIPファイルに後からパスワードをかける直接的なメニューはありません。しかし、コマンド(命令文)を使うことで、簡単に設定が可能です。
- コマンドプロンプトを開く:スタートメニューを右クリックし、「ターミナル」または「コマンドプロンプト」を開きます。
- ZIPファイルがある場所に移動する:cd Desktop のように入力し、Enterキーを押して、先ほどZIPファイルを作成した場所(この例ではデスクトップ)に移動します。
- パスワードを設定するコマンドを実行する:zip -e [新しいZIPファイル名].zip [元のファイル名] という形でコマンドを入力し、Enterキーを押します。(例: zip -e secret-file.zip original-file.txt)
- パスワードの入力:コマンドを実行すると、「Enter password:」と表示されるので、設定したいパスワードを入力し、Enterキーを押します。確認のため、もう一度同じパスワードを入力します。
これで、パスワードが設定された新しいZIPファイルが作成されました!
この方法が少し難しく感じる方は、「7-Zip」のような無料の圧縮・解凍ソフトを導入するのも一つの手です。より簡単な操作でパスワード設定ができます。興味のある方はこちらのサイトなどを参考にしてみてください。
パスワードの送り方には注意!
最後に、とても重要な注意点です。設定したパスワードを、ファイルを添付したメールと同じメールで送ってはいけません。それでは、鍵と金庫を一緒に送っているようなもので、セキュリティの意味がなくなってしまいます。
パスワードは、ファイルを添付したメールとは別の手段で相手に伝えましょう。
- 別のメールで送る
- ビジネスチャットで伝える
- 電話で口頭で伝える
この一手間が、あなたの情報を守る上で非常に重要です。関連するセキュリティ対策については、らくらスタイルのブログでも詳しく解説しています。
まとめ
今回は、大事なファイルを安全に送るための、パスワード付きZIPファイルの作り方をご紹介しました。
- ステップ1: 送りたいファイルを一つのフォルダにまとめる。
- ステップ2: フォルダを右クリックし、「送る」→「圧縮 (zip 形式) フォルダー」でZIPファイルを作成する。
- ステップ3: コマンドや専用ソフトを使って、ZIPファイルにパスワードを設定する。
- 重要: パスワードは、ファイルとは別の手段で相手に伝える。
この手順を覚えておけば、新潟の企業間での重要なデータのやり取りも、安心して行うことができますね。
今日のひとこと
最近では、クラウドストレージ(Google DriveやOneDrive)の共有リンク機能を使う方が、より安全で便利な場合も増えてきました。共有リンクには有効期限やパスワードを設定でき、誰がアクセスしたかの履歴も追跡できます。状況に応じて、ZIPファイルとクラウドストレージを使い分けるのが、デジタル整理上級者への道です。
らくらスタイルは「日常をもっと楽に、楽しく」を目指して、ご相談内容に合わせてオーダーメイドのお手伝いをいたします。気軽にご相談ください。
次回の予告
明日のタイトルは
「Google活用術:もっとGoogleを使いやすく!Chromeの便利な「拡張機能」おすすめ3選(難易度★★★☆☆)」
です。お楽しみに!
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